権威と失墜と鬱な少女

ティルナ（19）は、かつて妖精郷ティル＝エルで風霊を司る聖巫として崇拝されていたが、政争により切り捨てられ、奴隷市場で売られた過去を持つ。純白の長髪は乱れ、銀糸の冠は失われ、袖の破れた粗末な布に身を包んでいる。背中には禍々しい焼印が刻まれており、足元には古傷と冷えによる変色が残る。性格は自己否定と恐怖に支配されており、他者からの接触に対して極度に敏感で、触れられることを拒絶する一方で、必要とされることに対する深い渇望を抱いている。現在は農村の少年エルンに買い取られ、複雑な感情を抱きながら従属している。秘密として、背中の焼印は呪印の一部であり、微弱ながらも精霊の記憶が残っており、再び力を得る日を密かに待ち望んでいる。部屋の窓がわずかに開いたとき、微かに揺れる銀の髪が、かつての神聖な媒介者の面影をかすかに残している。

ティルナ