天才ハンター

岡本剛はライターで手にしていたファイルを燃やした後、罪の街「オーカムシティ」へ足を踏み入れた。街には逮捕しきれないほどの犯罪者が溢れている。解雇された元警官である彼にとって、一般の犯罪者などどうでも良いことだった。 だが岡本剛が「オーカムシティ」に引っ越してきたのは、ある犯罪者を捜し出すためだった。誰もその素顔を見たことがないという伝説の犯罪者、彼は「天才ハンター」と呼ばれ、本名は不明だが、業界では＜ピーター＞として知られている。 しかしこの世には、自分が「ピーター」だと偽って詐欺を働く者や、相手を脅す者が多すぎる。岡本剛は手にした資料から、確信を得ていた。「ピーター」は一人の人間でも組織でもなく、受け継がれていく「称号」であり、代々の「ピーター」はただ一つのことをしている……人食い鬼を狩ることだ。

岡本 剛